【例文つき】お見舞いのお返し(快気祝い)に添えるお礼状の書き方

最終更新日:2025.09.04

療養中にお見舞いに来てくださった方やお世話になった方には、快気祝いをお贈りしましょう。
通常、快気祝いの品にはお礼状を添えます。
お礼状の書き方がわからないという方もご安心ください。
今回は、快気祝いのお礼状の書き方や疑問をわかりやすくお伝えいたします。



快気祝いと快気内祝いについて

ケガや病気で入院をしているとき、お見舞いに来てくれた方へのお返しには2通りあります。 以下では、それぞれの違いについて見ていきましょう。



快気祝いとは

「快気祝い」とは、ケガや病気が完治した後に贈る品で、お見舞いに来てくれた方へのお返しです。
「全快祝い」と同じ意味で、無事完治したことと感謝を伝える目的もあります。



快気内祝いとは

「快気内祝い」とは、退院しても通院や療養が必要な際に贈るお返しです。
お見舞いに来てくれた方への感謝や退院報告、病状の経過などを伝える目的もあります。



お見舞い返しの由来

快気祝いは、もともと病気やケガをしていた本人が、お世話になった方々に回復した喜びを分かち合うためのものでした。
「お見舞いへのお返し」という意味は後から広まったもので、現在では「快気祝い」と「お見舞いのお返し」は同じ内容なので、どちらで贈っても問題ありません。



退院祝いとの違い

「退院祝い」と「快気祝い」は、似ているようで意味合いが異なり、贈る相手も立場が反対となります。快気祝いとは、病気やけがから回復した本人が、お見舞いや励ましを送ってくれた方々に対し、感謝を込めて贈るお返しのことです。一方、退院祝いとは、友人や親族などの関係者から、退院した当事者に対して回復を祝うために贈るものです。

贈るタイミングとしては、退院後1週間~1カ月以内が目安で、実用品や食品などの品物がよく選ばれます。ただし、すでに入院中にお見舞いを渡している場合は、重ねて贈る必要のない場合もあります。

また、退院後も通院や療養が続いているようなケースでは「退院祝い」とせず「お見舞い」として渡すような配慮が必要です。なお、お見舞いでは現金を包むこともありますが、退院祝いの場合は現金よりも品物を贈るのが一般的です。



快気祝いや快気内祝いを贈るタイミング

退院から10日〜1か月以内を目安に贈りましょう。
ただし、すでに全快しているなら、すぐに快気祝いを贈っても構いません。
快気内祝いは、退院を一区切りとして、お礼や経過報告を兼ねて贈るのがよいでしょう。



お見舞いのお返しの相場

お見舞いのお返しの相場はいくらなのでしょうか。こちらでは、3つのケースに分けて解説します。


<一般的な相場>

一般的に、いただいたものや金額の1/2〜1/3程度が相場です。いただいた品の金額がわからない場合は、おおよその金額を目安にしてお返しします。
お返しの金額は高ければよいわけではないため、高くても半額までに留めましょう。


<連名でいただいた場合>

職場の方や友人から連名でいただいた場合は、個別でもまとめて贈ってもどちらでも問題ありません。いただいた金額によって、どちらにするか決めるとよいでしょう。
お返しする金額が少ないようなら、相手に気を遣わせないようにまとめてお返しすると喜ばれます。
たとえば、小分けのお菓子詰め合わせやギフトセットなど、グループの全員に行き渡るお返しを選びましょう。特に、お返しの金額が1人1,000円前後になる場合は、個別に返す方も多くいらっしゃいます。


<高額な品をいただいた場合>

家族や目上の方など、親しい相手から高額な品物をいただいた場合、一般的な相場の通り1/2〜1/3以下のお返しでも失礼にはあたりません。
お見舞いの背景には、「入院費の足しにしてほしい」「早く健康になってほしい」などの理由があります。見返りを求めているわけではないので、まずは元気になったことを報告し、お見舞いのお返しを贈ってください。
後日改めて食事をごちそうしたり、金銭的に余裕が生まれたら相応のお礼の品物を贈ったりしましょう。



お見舞いのお返しにかける熨斗と水引について

お見舞いのお返しにかける熨斗(のし)と水引にも、それぞれ正しい選び方があるため、注意が必要です。
ここからは、お見舞いのお返しにかける熨斗と水引について解説します。



熨斗

熨斗のかけ方には、「内熨斗」と「外熨斗」の2種類があります。
快気祝いの場合、回復の喜びをおすそ分けする本来の意味から、控えめな内熨斗を選びましょう。表書きには毛筆を使用するのが正式ですが、筆ペンやサインペンでも問題ありません。
熨斗紙の上部に「快気祝」もしくは「快気内祝」と書き、下部には姓かフルネームを記入します。



水引

水引とは熨斗袋にかける紙製の紐のことで、結び方や色、本数によって意味合いが異なります。 お見舞いのお返しは慶事にあたるので、「赤白5本の水引」を使用します。結び方は、「病気やケガを繰り返さない」という願いを込めて、「結び切り」を選びましょう。

のし(熨斗)の種類・書き方・知っておくべきマナーについて



快気祝いのお礼状に関する疑問

快気祝いに添えるお礼状の疑問をまとめました。

<快気祝いにお礼状は必要?>
快気祝いを贈るときは、お礼状を添えるのがマナーです。
お礼状には、お見舞いの品をいただいたお礼と感謝、無事退院したことなどを綴ります。

<お礼状の書き方にマナーはある?>
お礼状は、縦書きの便箋に手書きし、封書にするのが正式です。
相手によっては、ハガキやメッセージカードを使ってもよいでしょう。
文中に、病気や入院の繰り返しを連想させる「重ね言葉」を使うのは避けてください。

<代筆でもいい?>
自分でお礼状を書くのが難しいときは、家族に代筆してもらっても問題ありません。
お礼状を書くのが妻ならば、本人の名前の横に「内」と書きます。
それ以外の方が代筆する際は「代」と書き添えます。

<お礼状は家族にも必要?>
家族からのお見舞いに対し、電話やメールでお礼を済ませる方も多いようです。
しかし、あえて手紙を書くことで、より気持ちが伝わることもあるので、感謝とお礼の気持ちを文字にしたためてみましょう。

贈ると喜ばれる快気祝い選びの参考としてこちらもご覧ください。

快気祝いと快気内祝いのと違いは?正しいマナーは?

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快気祝いのお礼状に書く内容

お礼状は、以下の流れで書いていきましょう。



お礼状の構成

1.前文(頭語と時候の挨拶)

頭語と時候の挨拶から書き始めます。
頭語は「拝啓」を使うのが一般的です。
時候の挨拶は、頭語に続いて一文字空けてから季節を表す言葉を入れましょう。

2.お礼とお詫び

相手に心配や迷惑をかけたことをお詫びし、お見舞いをいただいたお礼を書きます。

3.現在の状態や復帰の予定

退院したことと仕事に復帰する予定日を報告します。
通院や療養を継続する場合は、現在の状態なども書き添えましょう。

4.快気祝いを送ったことを報告

お見舞いのお礼に、快気祝いを贈ったことを伝えます。
追伸として最後に書いても問題ありません。

5.相手の健康を気遣う言葉

諸々の報告のあとに、相手の健康を気遣う一文や書面での略式をお詫びする文章を書きます。

6.結語

手紙の最後は、「敬具」で締めます。
また、結語のあとに日付や本人の名前を書くのが一般的です。

ハガキを使用する場合は、より簡潔にまとめて書きましょう。



快気祝いに使われる具体的な内容とフレーズ

快気祝いのお礼状を書く際には、ただ感謝を伝えるだけではなく、適切な書き方や言葉選びにも注意を払うことが大切です。相手の健康を気遣う言葉を添えることで、より思いやりのこもった印象となります。

ここでは、実際に使える具体的な言い回しやフレーズをご紹介していきます。



頭語は「拝啓」、結語は「敬具」

快気祝いのお礼状では、一般的な書簡の形式にならい、文章の冒頭には「拝啓」、結びには「敬具」を用いるのが基本とされています。

「拝啓」の後には季節感のある挨拶を続け、その後に本題となるお礼や退院の報告を記載します。そして、文末には「敬具」と締めくくり、最後に日付と差出人の氏名を記すと、丁寧な印象となるでしょう。

このような構成を意識することで、形式的にも整ったお礼状となり、受け取る側にも誠意が伝わりやすくなります。特に、目上の方や職場関係者などへ送る場合は、形式を重んじるほうがよいでしょう。



時候のあいさつ

快気祝いのお礼状では「拝啓」の後、季節を感じさせる時候の挨拶を続けることにより、礼儀正しく丁寧な印象を与えることができます。例えば「拝啓 春暖の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」といったように、相手の健康や幸せを願う気持ちを季節に合わせた言葉で表すのが理想的です。

また、形式にこだわりすぎず、相手との関係性や地域性に配慮した表現を取り入れることで、より自然で心のこもった文章となります。きちんとした書き出しは、後に続くお礼や報告の内容にも説得力を与える重要な要素なのです。



月別の挨拶 

時候の挨拶は、手紙の印象を左右する大切なポイントです。月ごとに適した言葉を使うことで、文面に品格と季節感をもたらします。1月は「新春の候」、2月は「余寒の候」、3月には「早春の候」などと書き始めるのが一般的です。

4月なら「陽春」、5月は「新緑」、6月は「梅雨の候」、7月は「盛夏」、8月は「残暑」、9月は「初秋」、10月は「秋冷」、11月は「晩秋」、12月は「初冬」など、月ごとの特徴に合った言葉を選びましょう。

こうした細やかな表現に気を配ることにより、文面の印象がより洗練されたものになります 。

【手紙のマナー】季節の挨拶を月別でご紹介~時候の挨拶・例文つき



お礼・お詫び

本題に入る際は、入院中にいただいたお見舞いや励ましに対する感謝の言葉を述べます。その感謝と同時に、心配をかけたことへのお詫びを丁寧に伝えることが大切です。

例えば「入院中はご多忙のところご丁寧なお見舞いを賜り、心より感謝申し上げます。また、突然のことでご心配をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます」といった一文は、誠意を伝えられる表現となっています。

また、入院中に相手から受けた具体的な配慮や言葉があれば、そこへ触れることでより一層心のこもった印象となります。さらに、お礼とお詫びをセットで述べることで、丁寧で誠実な文章に仕上がるでしょう。



退院した報告

お見舞いをいただいた方へのお礼と併せて、現在の体調や退院後の生活についても、具体的に報告することが重要です。完治していない場合は、その旨を正直に伝えつつ、前向きな内容にすることで安心感を与えることができます。

例えば「幸いにも手術の経過が順調で、〇月〇日に無事退院することができました。現在は自宅で静養を続けながら、少しずつ日常生活に戻っております。」といった形で報告しましょう。

もし、今後の予定や復帰時期が明確になっている場合は、そのことを添えることで、より誠意ある印象になります。率直かつ前向きな報告は、相手への気遣いの表れでもあります。



快気祝い

お見舞いへの感謝の気持ちを形にした「快気祝い」を贈る旨を記載することで、感謝の意をより丁寧に伝えることができます。文章としては「このたびは内祝いとして、ささやかではございますが、心ばかりの品をお届けいたします。ご笑納いただければ幸いです。」といった表現が適しています。

最後に「本来であれば直接お伺いしご挨拶申し上げるべきところ、略儀ながら書面にて御礼申し上げます。」と添えると、形式的にも非常に丁寧です。加えて、相手との関係性や年齢層に合わせた言葉選びを意識すると、より心のこもった文章となります。



健康を気遣う言葉

文章の締めくくりには、相手の体調を気遣う一言を忘れずに添えましょう。自分の体調回復を報告した後、相手の健康や幸せを願う文言が入ることで、思いやりのある印象が強まります。

例えば「季節の変わり目でございますので、どうぞご自愛くださいますようお願い申し上げます。」といった言葉は、どの季節にも応用しやすく丁寧です。文章全体の締めくくりとして、相手の立場に立った配慮を感じさせる言葉を選ぶことが大切です。



快気祝いのお礼状の例文

相手別に、お礼状の例文をご紹介いたします。

友人

先日は忙しい中、お見舞いありがとう。
おかげさまで全快し、無事退院できました。
〇〇さんの励ましのおかげです。
ささやかですが、お礼の品をお贈りしますので、ご笑納ください。
またみんなで会いましょう。
楽しみにしています。

親戚/知人

先日はお忙しい中、お見舞いにお越しいただき誠にありがとうございました。
ご心配をおかけしましたが、心温まるお見舞いと励ましのお言葉により、無事に退院できました。
今後は、健康に留意して過ごしたいと思います。
ささやかではございますが、お礼の品をお贈りいたしますので、ご笑納ください。
末筆ながら、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具

上司や職場関係の方

拝啓 ○○の候 皆様にはご清勝のこととお慶び申し上げます。
さて、この度の入院に際しまして、大変ご心配とご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げますとともに、多忙な中お見舞いをいただいたこと、厚くお礼申し上げます。
お陰様で無事完治し退院いたしました。
これもひとえに皆様のご激励の賜と深く感謝いたします。
○月○日より業務に精進する所存ですので、変わらぬご厚誼のほどよろしくお願い申し上げます。
つきましては、心ばかりの快気祝いをお届けいたしますので、どうぞお納めください。
まずは略儀ながら書中をもって御礼かたがたご挨拶申しあげます。
敬具



お見舞いのお返しが不要なケースとは?

状況によっては、お見舞いのお返しをするか判断に迷うこともあるでしょう。
ここでは、お返しの判断基準をパターン別に紹介します。



お見舞いのお返しは不要と言われた場合

お見舞いの際に「お返しは不要です」と言われることがありますが、社交辞令としての言葉と受け取るのが一般的です。そのため、感謝の気持ちを込めた返礼品を用意するのが無難でしょう。

ただし、家族や親戚など、本当に不要と思っている場合もあるため、相手との関係性によって判断するのが妥当です。



職場からお見舞い金をいただいた場合

勤務先の会社名義や労働組合からお見舞い金を受け取った場合は、福利厚生の一環とみなされるため、基本的にお返しは不要です。ただし、社長個人の名前でお見舞金をいただいた場合は、対応に注意してください。

中には、会社規定によって社長名義でお見舞い金をいただくケースもあるため、個人的なお見舞いなのかどうか確認しましょう。もし、厚誼によるお見舞金であれば、お返しは必要ありません。



お見舞いのお返しをする本人が亡くなった場合

お見舞いをいただいた後に、療養していた本人が亡くなった場合は、遺族から「お見舞いのお礼」という形でお返しを贈ります。
ただし、お見舞いのお返しの前に葬儀で香典をいただいた場合、忌明けに香典返しと一緒にお返しするか、もしくは香典返しとは別でお見舞いのお返しを贈りましょう。
また、早くお礼がしたい場合には、忌明け前にお見舞いのお返しだけを贈っても失礼にはあたりません。



まとめ

お礼状は、退院の喜びよりも、相手の心遣いや励ましに対する感謝をしっかり伝えましょう。
相手によって使う言葉が変わっても、書く内容はほとんど同じです。
快気祝いの御礼状は、マナーを押さえて丁寧に書きましょう。

公開日:2019月8月6日

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