香典返しにおけるのし紙のマナーやふさわしい品物について

最終更新日:2026.08.27

香典返しの際、気にするべきポイントのひとつとして挙げられるのが「掛け紙(のし紙)」の扱い方です。掛け紙は選び方や結び方だけではなく、宗派によってもマナーが異なるもの。
そこでこの記事では、香典返しで大切な存在である「掛け紙(のし紙)」の種類や書き方などを中心に、香典返しに贈る品物についてもご紹介します。



香典返しの基本的なマナー

まずは、香典返しの一般的なマナーを解説します。



香典返しの相場

香典返しの相場は、昔から「半返し」が基本と言われています。認識としては決して間違いではありませんが、場合によっては適さないこともあるでしょう。

たとえば、親戚などの身内の多くは、葬儀の足しにしてもらうためにと高額な香典を包むこともあります。その場合は相手の厚意を尊重して、半返しではなく、1/3または1/4程度に留めておくとよいでしょう。また、亡くなった方が大黒柱であったり子どもだったりする場合、同様もしくは香典返し自体必要ないケースもあります。

その他、相場は地域によっても異なるため、事前に確認して用意しましょう。 日頃の感謝の気持ちをしたためた手紙に「心づけ」としてさりげなく同封できるので、受け取った方の喜びもきっと増すことでしょう。



即日返しはあり?

一般的には四十九日の法要後に返しますが、現在では通夜または葬儀の当日に渡すことも珍しくありません。即日返しの場合、品物の金額は2,000~3,000円が目安です。とはいえ、なかには高額な香典をいただくこともあります。その場合は、忌明け後に改めてお礼の品を贈りましょう。

即日返しのメリットとしては、香典の金額にとらわれずに一律で同じ香典返しを用意できる点が挙げられます。郵送したりそれぞれに併せて品物を選んだりする必要がないことから、負担を軽減できるのもポイントです。



商品券を香典返しに使うのはマナー違反?

香典返しの定番は、食品や消耗品などの「消えもの」が一般的でした。しかし、相手の負担にならない、かつ喜んでもらえるものを贈りたいという気持ちから、現在では金券や商品券を選ぶ人も少なくありません。もらう側も最近では「好みではないものをもらうより嬉しい」とあまり気にせず、肯定的に捉える人も増えているようです。

マナー違反ではないものの、明らかに金額が明確に見えてしまうことから、贈る相手には注意が必要です。特に、目上の方へ贈ることは避けてください。たとえ商品券であっても、非常識と捉えられ、マナー違反になりかねません。また、香典返しに商品券やギフトカードを選ぶなら、何かひとつ品物に添えて贈るとよいでしょう。「金額がはっきりとわかってしまう」点を和らげることができるでしょう。



香典返しの順番

会社や職場から香典をいただいた際は、まずは香典袋の名義を確認しておきます。会社名の場合は経費から贈られているため、香典返しは不要です。

社内の人から贈られた場合は、必ず役職順にお返ししましょう。その際、香典を贈っていない従業員が気を遣わぬように人目を避け、勤務前や休憩時間などに渡すのがマナーです。



香典返しに挨拶状(お礼状)は必要?

香典返しに添える挨拶状(お礼状)は、感謝の気持ちと忌明けの報告を伝える大切な役割を持っています。
ただし、葬儀当日に香典返しを渡す即日返しや、直接訪問して手渡しする場合には、口頭で感謝を伝えられるため省略されることもあります。

一方、郵送で香典返しを送る場合は、挨拶状を添えるのが一般的なマナーです。
なお、宗教や宗派によって使用する言葉や表現が異なるため、内容を確認しながら作成することが重要です。



こんな場合も香典返しは必要

なかには、香典以外の品物が贈られてくるケースもあります。以下では、それぞれの品に応じた香典返しを見ていきましょう。



生花をいただいた場合

基本的に、親戚や身内からの生花の場合、香典返しは必要ありません。ただし、贈り主が上司や友人などの場合は必要です。

予定していた香典返しに少しプラスして、予算を変更するとよいでしょう。
たとえば、香典は10,000円で生花が15,000円の場合、5,000円の香典返しではなく、6,000~10,000円でお返しします。



弔電をいただいた場合

弔電の場合、特に決まったマナーはありません。ただし、必ずご厚意に対してのお礼は伝えましょう。タイミングとしては葬儀が終わった後、あまり日を空けずに早めに伝えることをおすすめします。



お手伝いをしていただいた場合

当日、手伝ってくれた方には、葬儀が終わったらなるべく早い段階でお礼を贈りましょう。あくまで気持ちの問題ですので、高価なものを選ぶ必要はありません。個別の場合は1,000円程度、グループの場合は分けられるお菓子などがおすすめです。



香典返しが不要の地域の方からいただいた場合

地域によっては、「新生活運動」と呼ばれる風習が未だにあります。新生活運動とは、戦後の食糧不足の時代に、冠婚葬祭の費用を減らして負担を少なくしようとした活動です。そのため、新生活運動の風習がある地域の方は、香典返しを受け取らないことがあります。
とはいえ、お礼を伝えることは忘れないようにしましょう。



香典返しの掛け紙(のし紙)とは何か?

のしというのは「熨斗鮑(のしあわび)」の略であり、名前のとおりアワビが使われていました。

詳しく紹介すると、アワビの肉を薄く剥いだ後、長く伸ばして干したものを熨斗鮑と呼びます。さすがに現在では紙が使われるようになったとはいえ、のし自体の文化は今なお残っています。



のし紙と掛け紙の違い

のし紙と掛け紙の違いがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
見た目が似ているため混同されがちですが、贈り物のマナーにおいては明確な違いがあります。

のし紙と掛け紙の違いは、熨斗(のし)が付いているかどうかにあります。
のしとは、もともと縁起物である熨斗鮑(のしあわび)を簡略化したもので、現在では紙に印刷された飾りとして表現されています。

結婚祝いや出産祝い、新築祝いなどのお祝い事では、この熨斗が印刷された「のし紙」を使用します。
一方で、香典返しをはじめとする弔事では、お祝いの意味を持つ熨斗を付けることは適切ではありません。

そのため、熨斗が付いていない「掛け紙」を使用するのが正式なマナーとされています。香典返しを贈る際は、用途に合った紙を選ぶことが大切です。



そもそも香典返しが不要な場合も?

実のところ、状況によっては香典返しを必要としない場合もあります。例えば、キリスト教や神道の場合は、香典返しを行わないケースも。また、不祝儀袋に香典返しが不要である旨が書かれている場合も、必要ありません。公的機関や企業によっては、香典返しを受け取ることができず、このような場合に香典返しが不要である旨を伝えることがあります。

もうひとつ別のケースとして、金額的な問題があります。基本的に香典返しというのは、いただいた香典の半分が相場とされています。この際、香典が3,000円であれば半分の1,500円が香典返しの相場となり、当日に渡せれば四十九日明けに香典返しをする必要がなくなるでしょう。

なお、当日に渡す香典返しは弔問客に渡す会葬御礼とは別と考えられています。会葬御礼の場合は500〜1,000円くらいが相場とされています。



香典返しの掛け紙(のし紙)に関するマナー

掛け紙(のし紙)のかけ方 

香典返しの掛け紙には、「内掛け(内のし)」と「外掛け(外のし)」の2種類があります。
内掛けは、品物に掛け紙を掛けた後に包装する方法です。控えめで落ち着いた印象を与えられるため香典返しでよく用いられ、配送時に掛け紙が汚れたり破れたりしにくいメリットもあります。

一方、外掛けは、包装の外側に掛け紙を付ける方法です。表書きや名前が見やすいため、直接手渡しする場合に適しています。
香典返しでは内掛けが一般的ですが、どちらが正しいというわけではありません。郵送か手渡しか、また地域の慣習などに合わせて選ぶとよいでしょう。



香典返しの表書き

表書きの文字色は、贈る時期によって異なります。
四十九日より前なら薄墨、それ以後は濃墨を使い、香典返しに添えるお礼状の文字色も贈る時期に合わせてください。

水引の上は、「心ばかりのお返し」を意味する「志」が一般的です。
志は、地域や宗教に関係なく弔事のお返し全般に使えます。
その他、「満中陰志」「茶の子」「偲び草」などがあり、地域や宗教によって異なる点に注意が必要です。

水引の下には、送り主の名前を書きます。
喪主の姓のみ、または喪主の姓に「家」を付けるのが一般的ですが、地域や宗教によってはフルネームを書き入れましょう。
また、喪主と故人の姓が異なる場合は、故人の姓に「家」と書き添えるのがマナーです。



水引の色も地域や宗教によって異なる

結び方は結び切りですが、色は地域や宗教によって異なります。ただ基本的には、白黒の組み合わせであれば全体的に使えるものであることから、詳しくない方にもおすすめの色です。

そのほか、黄色と銀はキリスト教や神道などで用いられている組み合わせで、藍色と紺色の組み合わせは仏教で用いられている組み合わせです。



知っておくと便利!地域別香典返しのマナー



香典返しの際に恥ずかしい思いをしないためにも、それぞれの地域に応じた方法を解説します。



北海道

北海道では、葬儀の当日に返礼品として「即日返し」でお渡しするのが基本です。また、お返しは最小限にすることも、相互扶助の精神が根付いている北海道ならではの習慣と言えるでしょう。



東北地方

東北地方では、会葬御礼品をお渡しするか、お礼を伝えて香典返しは贈らないこともあります。というのも、「香典返しの廃止」や「香典の額の少額化」を推奨している自治体もあるためです。



関東地方

関東地方では、「半返し」が基本です。即日返しで参列者にお渡しすることが多いため、香典が高かった場合は、後日品物を贈って半返しになるように調節しましょう。



関西地方

関西地方では、香典返しの表書きを「満中陰志」と書きます。ただし、仏式以外の葬儀での使用は避けてください。水引の色も黄白の結び切りで用意しましょう。



九州地方

九州地方では、故人との付き合いによって香典以上の金額でお返しをする風習もあるようです。香典返しの表書きも、あまり聞きなれない「茶の子」と呼ばれる粗品のような意味をもつ言葉で書かれる場合があります。



香典返しに贈る品物

香典返しの品物

香典返しは、故人に対する香典へのお礼と、無事に法要を終えた報告を兼ねており、四十九日が過ぎた後に贈ります。 しかし、宗教や宗派によって時期が前後するので、亡くなった30〜50日後を目安にするとよいでしょう。

忌明けに贈る香典返しは、香典の半額を目安に用意します。
当日に香典返しをする場合は、用意した一律の品をその場でお渡しします。
高額のお供えをいただいたときは、香典の半額から渡した品の額を引いた予算で用意し、後日改めて贈るようにしましょう。

お渡しする品物は、後に残らないものを贈るのがマナーです。
お茶や海苔が定番ですが、先方の家族構成や生活スタイルに配慮して、お菓子や洗剤、タオルなども選ばれています。
香典返しを包む包装紙は、目立つデザインを避け、落ち着いた色味や柄を選びましょう。



香典返しで避けるべき品物

香典返しには、ふさわしい品物がある一方で避けたほうがよいとされるものもあります。

たとえば、肉や魚などの生鮮食品は「四つ足生臭もの」と呼ばれ、弔事の贈り物には不向きとされています。
また、お祝い事を連想させる鰹節や昆布、お酒などの嗜好品も避けるのが一般的です。

さらに、相手によっては現金に近い印象を受ける商品券や金券を好ましく思わない場合もあります。
地域や家庭によって考え方は異なりますが、香典返しでは派手さよりも感謝の気持ちが伝わる品物を選ぶことが重要です。



香典返しに商品券はあり?

品物の選び方は時代の流れとともに変化し、最近は「贈った相手が喜ぶかどうか」にシフトしています。
そのため、使い勝手のよさを優先して、商品券が選ばれることも珍しくなくなりました。



香典返しに添える挨拶状の例文

香典返しを郵送する場合は、品物だけでなく挨拶状を添えるのがマナーです。
挨拶状には、香典や弔意に対する感謝の気持ちと、無事に忌明けを迎えたことを報告する意味があります。
本来であれば直接お礼を伝えるべきところを、書面で失礼することへのお詫びも添えると丁寧な印象になります。

謹啓

先般故人永眠に際しましては ご丁重なるご厚志を賜り誠にありがとうございました

おかげさまで滞りなく四十九日の法要を相営むことができました

供養のしるしまでに心ばかりの品をお送りいたしますので ご受納いただければ幸いに存じます

本来であれば拝眉のうえ御礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます

敬具

故人と特に親しい関係であった方へ送る場合は、故人との思い出や感謝の言葉を一文添えることで、より気持ちの伝わる挨拶状になります。

【例文付き】香典返しの挨拶状の書き方は大丈夫?マナーや書き方を解説




香典返しに商品券を選ぶ前に知っておきたいこと



香典返しに商品券を選ぶときは、相手に戸惑いや誤解を与えないよう注意しましょう。

メリットとデメリットを知っておくと、思わぬトラブルを避けられます。



香典返しに商品券を選ぶメリットとデメリット

商品券を選ぶメリットは、失敗が少ないという点です。
商品券の魅力は使い勝手のよさにあり、好きなものを自由に買いたいという気持ちに応えてくれます。

また、贈る側は品物選びに悩むことがないうえに、贈った後に相手の反応を気にする心配が少なくて済むでしょう。
ただし、贈った相手に金額が知られてしまうので、香典返しの額を知られたくない方は、少し気後れするかもしれません。

また、現金と同等と考える人も多く、現金に現金を返すのは失礼だと捉えられる節があります。
香典返しとして贈るときは、目上の方や風習を大切にする方への配慮を大切にしましょう。



どんな商品券を選ぶのがよい?

いろいろな種類がありますが、全国の百貨店で使える商品券やカード会社が発行する商品券、QUOカードなどがおすすめです。 同じ商品券でも、使える店舗や商品が限られるものは、商品券ならではの魅力を欠いてしまうかもしれません。 また、種類によってはカジュアルなイメージを与えてしまうため、相手との関係性や金額で使い分けるのがよいでしょう。



商品券を贈るコツ

商品券を贈るときは、相手の使いやすさに配慮すると大変喜ばれます。

<用意する枚数>

たとえば、1万円分の商品券でお返しするときは、1枚だけ贈るよりも、10枚に分けたほうが使いやすいでしょう。

<味気ない気がするとき>

お菓子や少額の品物を添えて贈ると、温かみを感じる香典返しができます。
1万円分をお返しする場合は、商品券と品物を5,000円ずつに分けるなど、包み方を工夫しましょう。



香典返しに使えるQUOカードもあります

QUOカードは全国の身近なお店でご利用いただける、携帯に便利なギフトカードです。
落ち着いたデザインのカードならカジュアルになりすぎず、またのし紙をつければ仏事の礼儀を欠くことなく贈れます。
故人の面影がうかがえるオリジナルデザインのカードを作成し、法事や法要の際に利用するのもおすすめです。

QUOカードオンラインストア

香典返しとのしに関するよくある質問

ここでは、香典返しとのしに関するよくある質問をいくつか紹介します。

香典返しにのしは必要ありません。
むしろ、弔事である香典返しに慶事用ののし紙を使用するのはマナー違反とされています。
のしは本来、結婚祝いや出産祝いなどのお祝い事で用いられるものであり、縁起物である熨斗鮑(のしあわび)を意味しています。
そのため、香典返しでは熨斗の付いていない「掛け紙」を使用するのが正式な作法です。
表書きには「志」や「満中陰志」などを用い、地域の慣習に合わせて選ぶことが大切です。

香典返しは、百貨店やギフト専門店、葬儀社の紹介サービス、オンラインショップなどで購入できます。
最近ではインターネット通販を利用する方も増えており、自宅にいながら品物選びから配送手配まで完結できるため便利です。
また、葬儀社へ依頼すれば地域の慣習に合わせた商品や掛け紙を提案してもらえる場合もあります。
複数の商品を比較しながら選びたい方はギフト専門店やオンラインショップ、マナー面に不安がある方は葬儀社へ相談するのがおすすめです。

香典返しでは掛け紙以外にも押さえておきたいマナーがあります。
まず、一般的には四十九日の法要を終えてから2週間以内を目安に贈ることが望ましいとされています。
また、品物の相場は、いただいた香典の半額程度である「半返し」が基本です。ただし、高額な香典をいただいた場合や地域によっては、三分の一程度の金額を目安とすることもあります。
包装紙は白や銀、水色など落ち着いた色合いを選び、派手なデザインは避けましょう。
さらに、配送する場合は感謝と忌明けの報告を伝える挨拶状を添えるのが丁寧です。
地域や宗教によって慣習が異なるため、迷った際は葬儀社などへ相談すると安心です。

半返しにおすすめ!1,500円分・2,500円分を封入したギフトセット



香典返しにもQUOカードを

QUOカードは、生活に身近なお店でご利用いただける、 全国共通のギフトカード(商品券)

香典返しの品にはお菓子やお茶などが選ばれることが多いのですが、食品類だと、賞味期限や消費期限の問題から無理にでも消費しなくてはならなかったり一人では食べきれないということもあります。しかし、QUOカードであれば相手が自由に使えるため、使いたいタイミングで使用することができます。

従来は葬儀がひと段落をしたことを報告するという意味も込めて四十九日法要の後に贈る「忌明け返し」が一般的でしたが、最近では香典を管理する負担を軽減するためにあらかじめ用意したものを葬儀当日にお渡しする「即日返し」もよくみられます。

香典返しでQUOカードを贈って失礼にならないかと不安に思うかもしれませんが、結論としては問題ありません。むしろ会葬御礼とともにかさばらずに持ち帰っていただけるという利点もあります。

QUOカードでは香典返しに最適なデザインも用意されていますので、香典返しの品選びに迷ったらぜひ参考にしてみてください。

公開日:2020年10月7日

会葬御礼・引き物にQUOカードがおすすめです

かさばらず実用的なQUOカードは、香典返しにもよくご利用いただいています。