はじめに

前回に引き続き、現代社会において一般消費者が求める謝罪対応はどういったものなのかを明らかにすべく調査を実施。企業の謝罪対応によって、世の中での扱われ方が異なり、特にSNS上での意見の影響は大きいと捉えています。今回は、実際に損害を与えてしまった一般消費者だけでなく、第三者の反応までを意識した謝罪対応についての調査を実施いたしました。

前回の記事はこちら



【SNSを意識した謝罪に関する実態調査】

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査時期:2022年7月
  • 調査対象:全国の20代-60代 男女計400名
  1. 謝罪経験のあるビジネスパーソン200名、謝罪された経験がある一般消費者200名
  2. 小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
  3. 性年代均等割付



企業の謝罪対応に対する、SNS上でのネガティブな意見は増加傾向!?

当社が全国の20代-60代 男女計400名を対象に実施したインターネット調査によると、『企業の謝罪対応について、SNS上で“第三者による個人の意見”や、“第三者の意見をシェアした投稿”を見る機会が増えたと感じるか。』を尋ねたところ、61.3%が「投稿を見る機会が増えた」と回答。
さらに、そのうち、83.3%が「ネガティブな意見の投稿を見る機会が増えた」と回答しました。



約4割の企業担当者が謝罪後にSNS炎上の経験あり!その原因は?

企業担当者を対象に、『謝罪後にSNSなどのネット上で炎上を経験したことがあるか。』を尋ねたところ、41.5%が「炎上経験がある」と回答しました。

その理由は、「謝罪タイミングが遅かった(49.4%)」が最も多く、「謝罪内容が二転三転した(36.1%)」、「誠意が伝えられなかった(36.1%)」が続く結果となりました。

また、『あなたの会社では、お客様に謝罪をする際の対応方法(ガイドライン・マニュアル)が用意されていますか。』を尋ねたところ、約半数の42.5%が「(対応方法が)用意されていない」と回答。
用意されている企業に関しても、22.8%はSNSで炎上した場合の対応方法は含まれておらず、全体で53.0%の企業が「SNSで炎上した場合の対応方法の用意が無い」ことが分かりました。

万が一、消費者に謝罪をすることになった場合は、出来る限り迅速な謝罪対応をするためにも、SNSでの炎上における対応も含めたマニュアルはぜひとも用意しておきたいところです。

一方で、一般消費者を対象に、『企業から受けた謝罪で不満が残ったことがあるか』を尋ねたところ、55.0%が「(謝罪対応に)不満が残ったことがある」と回答。

最も多かった理由として、「誠意が感じられなかった(60.9%)」、次いで「謝罪タイミングが遅かった(44.5%)」、「謝罪内容が不適切であった(24.5%)」が上位となりました。



謝罪対応に対する不満を、当事者よりも第三者の方がSNSで拡散する!?

さらに、「(謝罪対応に)不満が残ったことがある」方のうち、65.5%が不満を理由に行動を起こしており、そのうちの73.6%が「謝罪した企業の商品購入、またはサービス利用をやめた」経験があり、9.7%が「SNSなどのネット上にシェアした」ことが明らかになりました。

また、回答者全体を対象に、企業による謝罪を第三者(謝罪を受ける当事者ではない立場)として知った場合でも、48.7%が企業の謝罪対応への不満を理由に行動を起こしており、そのうちの55.9%が「謝罪した企業の商品購入、またはサービス利用をやめた」経験があり、当事者の数値を超える17.4%が「SNSなどのネット上にシェアした」ことが判明。

SNSやネット上でのシェアする人の割合は、当事者よりも第三者の方が多いことが分かりました。

一方で、『企業からの謝罪に対する世間の反応』に対しては、「過剰だと思う」と回答したのは29.3%となり、企業の謝罪に対して、世間が過剰に反応し過ぎているといった考えも確認できました。



適切だと思う対応策に企業と消費者間で意識に差が

企業担当者と一般消費者それぞれに、『企業からお客様に謝罪が必要な事象が起きた際、企業側が取るべき適切な初動』を尋ねたところ、「詳細の事実確認の前であっても、ひとまず事象に対しての謝罪をする(HPやSNSへの謝罪文の掲載、個別にメール等で謝罪)」という行動が、企業担当者73.0%・一般消費者61.0%と、ともに最も支持を集めました。

また、『対応策の提示を何日以内に行うことが適切か』を尋ねたところ、企業担当者は「当日(30.5%)」(中央値1.0日)が最も多い一方、一般消費者は「3日以内(27.0%)」(中央値2.0日)と差が開く結果となり、企業担当者は「対応策を提示した上での迅速な謝罪」を考える傾向にある一方、一般消費者は「ひとまずの迅速な謝罪は求めながらも、対応策の提示については迅速さは求めず、多少の猶予がある」と回答し、消費者と企業の間に求める対応策の提示期間にギャップがあることが判明。

この結果から一般消費者は、ひとまずの迅速な謝罪は求めつつも、対応策の提示段階においては、とにかく早く対応することより、過失が正しく整理されたうえでの誠意ある対応が求められていることが分かります。



迅速な対応&真摯な姿勢により印象が良かったケースも

一般消費者を対象に、『受けた謝罪の中で、印象が良かったことがあるか』を尋ねたところ、15.5%が「(謝罪対応の印象が良かったことが)ある」と回答。

例として、迅速な対応や真摯な姿勢、謝罪の品物の送付が挙がり、謝罪であっても対応の仕方によっては消費者に好印象を与えられることがわかりました。



<「謝罪の中で印象が良かったこと」コメント>

  • 金銭的補償があった(40歳男性)
  • 商品券をもらった(46歳女性)
  • 商品が足りない事に気がついて連絡したら、たった1つの商品なのにわざわざ持ってきて下さった企業と、商品はこちらが受取りに行ったが、謝罪の言葉とこちらを気遣って下さった優しさと温かい言葉が素敵で忘れられない。(39歳女性)
  • 正確な問題の内容とその対策を誠意をもって説明し謝罪された(62歳男性)



まとめ

昨今、SNSの影響力が高まる中、より重要になってきている「SNSを意識した謝罪」。

今回の調査で、企業による謝罪対応の不満に関して、SNSなどのネット上でシェアする人の割合は、当事者よりも第三者の方が多いことが判明しました。
企業担当者の謝罪において、実際に損害を与えてしまった一般消費者はもちろん、その先のSNS上での反応までを意識した謝罪対応が求められる世の中になってきていることがわかります。

謝罪の際は、まずは迅速に謝罪をしたうえで、企業側の過失状況を正しく把握し、具体的な対策を明確に提示するといった、真摯な対応をすることが大切です。



公開日:2022年11月14日

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