「博多のぬくもり」を贈りたい インタビュー

(株)アトリエ童画社長 西島 雅幸氏

父から子へ、そしてまたその子ども達へ

19歳で父・伊三雄氏に師事した雅幸氏。絵を描く時は、ものをきちんと見て描くこと、そして光と影の遠近感。 それに、整理整頓や礼儀作法などを厳しく学ばれました。雅幸氏も「日曜学校」で集まる子ども達へこのことを先ず第一に教えておられるそうです。 また、山笠では子ども達に「大きな声ではっきりごあいさつをすること」「年下の子を思いやる心」を教えておられます。 「普段、まわりの大人が子どもを叱ることのなくなった昨今ですが、教えてあげると子どもたちは素直にできるようになる。」とおっしゃいます。 そうして親やまわりの大人から教わったことを自分がまた次の世代に繋いでいく。博多の伝統と「思いやりの心」はこうして祭りや生活を通して受け継がれているのです。 

二○加煎餅本舗  (株)東雲堂 社長 髙木 美恵子様
「博多のまちは人情の町、人情がなければ山笠は動かない」

会社を訪問し、工場の横を通ると、ほんわか甘い優しい匂いがただよってきました。新しい商品を出しながら、伝統を守り続けている「二○加煎餅」のパッケージには西島先生の書き下ろしのイラストが使われています。鉄道と文化と共に歩んできた「二○加煎餅」、博多のお土産として、広く親しまれています。

「都会からいろいろなものが押し寄せてくるなかで、博多らしさを大切にしていきたい。」とおっしゃる髙木社長が西島さんの魅力をたくさん語ってくださいました。
先生は楽しいことが大好きで、優しくて自然と人が集まってきた。博多が大好きで、大切なものを子どもたちに伝えていこうとお祭りにも率先して参加していらしたそうです。

「博多のまちは人情の町。人情がなければ山笠も動かない。伝統を守ることは難しいけれど、祭りのなかで受け継がれる『折り目角目』が私は好きなんですよ」 そうおっしゃる髙木社長の想いを継いで、会社はご子息が継がれることになったそうです。

「これはいいですねー」「西島先生の絵はほっとするんですよ」「ほっとするし優しくなれる。ひとつでも笑顔で返したい気持ちになる。 そんな気持ちを贈れるこれはいいですね」 「私は是非、本を買う人にこのカードを贈りたい」「孫がもう少し大きくなったらお年玉と一緒に贈りたい」とカードを手にとって下さいました。 「おばあちゃんの若いときはこんなのがあってね」お孫さんとお話が弾む姿が思い浮かびました。

博多人形師 国指定伝統工芸士 理事 亀田 均氏
博多のもんを育てないかんちゃん

博多人形師として博多祇園山笠の人形や著名人の肖像人形を手がける亀田さんは「西島先生にはかわいがってもらいました」と 目を細められました。
西島さんは長崎出身の亀田さんに、「博多出身でなくても博多に惚れて、博多に尽くすなら博多のもんたい」と、博多の文化をよく教えてくれたそうです。

「子どものように素直に喜び、純粋に率直にものを言うので、相手も素直になってしまう」博多のことや相手のことを考え、常に本音で人と接する西島さんの周りには自然と人が集まったそうです。 その教えをうけて亀田さんも、肖像人形の作成の際には「会えた喜び」を素直に作品に表してきたとおっしゃっていました。

博多祇園山笠の人形づくりに携ってきた亀田さんは、生活様式の変化から、伝統を受け継ぎ山笠を作れる作家が減ってきている現状に、ご自分も人形師の会の会長を務められ、次世代育成に心血を注いでいらっしゃいます。
「祭りは人と人との出会いがある」「子どもは地域が育てていた時代が遠くなっている今、祭りは人間形成の場として大切な機会」だからこそ、若い人をひっぱりこんで、博多の文化を継いでいく後進を育てていらっしゃるとのこと
「子どもを描く人はいるけれど、その背景や生活までをそこに描ききれる人は他にいない。西島さんの絵は資料であり、教科書ですね」 とカードを何度も手にしておいででした。